ゼミ選考の自己PRの書き方を解説|志望理由とはどうやって書き分ける?
ゼミの選考の自己PRって何を書いたらいいの?
志望理由は書けたけど、自己PRとの書き分けができない……
自己PRできる長所があまりない……
ゼミの選考に合格するためには、自己PRと志望理由の質を上げることが重要です。
そこで、本記事では以下のような内容について解説しています。
・自己PRと志望理由それぞれの役割
・強みを他の学生と差別化して伝える方法
・転用しやすい自己PRの例文3パターン
・逆に印象が悪くなってしまう自己PR
自己PR、志望理由それぞれの目的の理解を深めて逆算することがカギです。
ただ文章の質が上がるだけでなく、他の学生と差別化することができるからです。
本記事では、そうするために必要な観点と応用しやすい具体的な方法をお伝えします。
教授は何を見たい?自己PRと志望理由の役割の違い
そもそもゼミの選考では、なぜ自己PRと志望理由という別の欄で文章を書く必要があるのでしょうか?
それは、教授がゼミ生を新たに採用するにあたって、それぞれの項目で確認したいことが違うからです。
自己PRでは学生の人間性や研究における人格的素質などの内面を見たいと考えています。
一方で、志望理由ではゼミを志望している本気度合いや、本人の意向とゼミがマッチしているかを確認しています。
自己PRでは学生の人間性や素質を見たい
自己PRでは、教授は学生の人間性などの内面を見たいと考えています。
というのも、ゼミにその学生が入ったとして自分で研究成果を出すことに向けて頑張っていけるのかを確かめたいからです。
つまり、自走して頑張る学生をなるべく合格にしたいと考えるはずです。
逆にゼミの研究を頑張れずにドロップアウトしてしまう可能性の高い学生はあらかじめ不合格にしておきたいとも考えています。
教授にとっては研究が本職ですが、ゼミ生が卒業していくまでを見届ける「担任」のような役割を兼ねることがあります。
というのは、4年時のかなりのウェイトを占める卒論を、書き上げられるようにサポートしてくれるからです。
その際に、卒論どころか「卒業できない」「就職できない」といったところまで面倒を見るのは、正直教授にとって大きな負担になります。
ゼミは2年から3年ほどですが、必修科目として指定されていることが多いです。
そのため、ゼミが合わずに活動を続けられなくなると留年などになってしまいます。
だから、その教授のゼミの環境で頑張れそうかを判断しておきたいのです。
志望理由ではゼミへの動機の深さを確かめたい
一方、志望理由ではゼミに対する本気度や動機の深さを確かめたいと考えていることが多いです。
その動機が深いほど、ゼミを通して得られるものが大きく、また、やり切る理由が強まるからです。
もちろん、ゼミの活動を通して、自己実現や将来的な目標に良い影響を与えたり、深い興味がある学問を深く究めることができる方が良いでしょう。
教授の目線では、自身のゼミに入ることでそのような良い影響を得られる学生ほど育て甲斐があります。
また、学問の研究とは、必ずしも一定の答えが存在する訳ではありません。
そのため、全ての過程がうまくいく訳ではなく、糸口が掴めなかったり、先行研究が退屈であったりすることもあります。
そういった状況を超えていくためには、その学問分野を頑張る理由が深かったり、関心が他の人よりも深い方が頑張れると考えやすいです。
そのため、志望理由ではゼミに対する動機の深さを確認している可能性が高いです。
ゼミ選考の自己PRでは何を書くべき?
ゼミの選考の自己PRでは、人間性などを確認する目的であることを説明しました。
本項目では、上記を踏まえた上で、自己PRにはどのようなことを書くべきかを解説します。
志望ゼミに適した長所を書く
まずは、志望ゼミの形式に対してマッチしている長所を書いた方が良いです。
この際、気をつけたいのは無条件にあなたの長所を書けば良い訳ではないということです。
どういうことかと言うと、そのゼミの活動を通してあなたが活躍するイメージを持ってもらえるような長所を書くことが重要だからです。
例えば、ディスカッションが中心のゼミであれば、傾聴力や独創性などが議論をより良いものにするでしょう。
一方で、忍耐力などを用いても効果的ではありません。
このように、ゼミの形式からアピールする長所を逆算しましょう。
そうするための詳しい方法は、後述する「<H3>どんな強みをどのように訴求するか?」にて解説しています。
ゼミの研究をやり切れる根拠を書く
ゼミの研究を最後までやり切れる根拠を示し、教授が安心感を持って合格を出せるようにすることも重要です。
ただし、「私は最後まで研究をやり抜きます」という直接的な書き方は避けましょう。
なぜなら、「研究をやり遂げられないのが通常で、やり遂げられるのが特別」という風にも受け取れてしまうからです。
どのように表現するのが良いかというと、以下のような研究の完遂は当たり前とした上での言い方をしましょう。
例文:
私は、物事に取り組む中で行き詰まりを感じた際は、新しい情報を得て、それを分析することによって、多角的な視点から問題を考察するよう心がけています。
研究において行き詰まりを感じた際には、積極的に追加の文献を探し、教授からのフィードバックをいただくことで、解決策を見出すつもりです。
他のゼミ生にどんな影響を与えられるかを書く
ゼミ生として、他のゼミ生に対してどんなプラスの影響ができるかを書くことも効果的です。
ただし、他者への影響ばかりが中心になってしまうのはよくありません。
自身がどう活躍していくかを示した上で、周囲にもどのような影響を与えたいかを書くのが良いでしょう。
他者への影響として挙げられるのは具体的には以下のような内容です。
・ゼミ長などを積極的に行ない、研究に必要な準備なども積極的に行なう
・発言や意見出しを積極的に行ない、相互にゼミの研究を活発化させる雰囲気作りをする
この項目の内容は、自己PRの中心とするべき内容ではありませんが、触れておくとプラスになることもあります。
志望動機は「そのゼミである必要性」を書く
志望理由を書くに当たって最も重要となるのは、入るのが「そのゼミである必要性」を感じてもらえる動機にすることです。
教授の目線で「この学生が目指す方向に成長するにはうちのゼミだな」と思ってもらえれば、合格にしてもらいやすくなります。
そこで、論理的にあなたの目的などを達成するのに志望するゼミで研究をする必要があることを示す志望理由を完成させましょう。
詳しい志望動機の作り方は、「ゼミの志望理由書の書き方を変えるだけで教授の目に留まる【例文付き】」の記事を参考にしてください。
また、志望理由が思い浮かばない方は「ゼミの志望理由が書けない人が逆算型3ステップで書き上げる方法を具体的に解説」の記事を参考にしてください。
自己PRに書くべき内容をPREP法で簡潔にまとめる
自己PRでは、自身の強みをPREP法という説明法を用いて簡潔に伝えましょう。
PREP法とは、以下の4つの構成によって物事をわかりやすく伝える方法です。
Point(主張の要点):ゼミでどうしていきたいか、どう貢献するかを主張する
Reason(理由):自身の長所を、主張の要点の根拠として簡潔に示す
Example(具体例):自身の長所を裏付けるエピソードを示す
Point(結論):ゼミでどうしていきたいかを再度主張する
これを自己PRに適切に活用することで、魅力が伝わりやすくなります。
この項目ではPREP法を自己PRにどのように活用すればよいか解説します。
PREP法を自己PRに活用する方法
自己PRでPREP法を効果的に活用するには、どの要素をどこに当てはめるかを理解する必要があります。
結論としては、以下の2つが重要なポイントになります。
・自身の長所は「理由」に当てはめる
・その長所をそのゼミでどう活かすかを「主張」する
長所をただ主張するだけではなく、ゼミでどのように活きるのかまで踏み込んだ自己PRを書きましょう。
そうすることで、以下の効果が見込めます。
・ゼミへの理解度をアピールできる
・コピペではないことが伝わる
・ゼミでの活躍をイメージしてもらえて好印象
次の項目では、踏み込んだ自己PRを書くには実際にどのような書き方が良いかを解説します。
どんな強みをどのように訴求するか?
ゼミ選考の自己PRでは、ゼミでどのように活躍できるかを教授にイメージしてもらえるようにアピールすることが重要です。
そのためには、アピールポイントとなる要素を決める上で、2つの要素を考える必要があります。
それは、「ゼミの形式」と「長所」です。
ゼミの形式に合った長所をアピールすることで、初めて活躍イメージを持ってもらえます。
一般的なゼミの形式
ゼミの形式を考慮するのは、ゼミでどのような素養があれば活躍できるのかを分析するためです。
そこで重視するべきは「ゼミの形式」です。
人が変わるので、ゼミ生の雰囲気は年度毎にどんどん変わるからです。
しかし、ゼミの形式はそうそう変わらないので、その形式で能力を発揮しやすい長所をアピールすることは普遍的な効果があると考えられます。
実際によくあるのは以下の4つの形式です。
・プレゼン形式
・ディスカッション形式
・輪読形式
・ケーススタディ形式
各形式でどのようなことを行なうのかと、重視される特徴を紹介します。
・プレゼン形式:
学生が研究やプロジェクトに関する内容をプレゼンテーション形式で発表する
重視される長所:探究心、分析力、コミュニケーション能力
ディスカッション形式:
説明:学生が特定のトピックについて意見を交換し、ディスカッションを行う。
重視される長所:分析力、コミュニケーション能力、主体性、協調性、創造性
輪読形式:
学生が指定された文献や章を読み、その内容についてゼミで議論や発表する。文献の解釈や議論が中心となる。
重視される長所:分析力、コミュニケーション能力、創造性
ケーススタディ形式:
実際のケーススタディを用いて、具体的な問題解決や分析を行う。
重視される長所:探究心、分析力、コミュニケーション能力
アピールしやすい長所4つ
上記の形式を踏まえた上で、以下の4つの要素から長所としてアピールする要素を決めていきましょう。
・探究心
・分析力
・コミュニケーション能力
・創造性
もちろん、これらに当てはまらなくても、自身がしっくりと来るものがあればそれを優先的に書きましょう。
探究心
探究心とは、好奇心にも近い概念ですが、単に興味を持つだけではなく、分からないことや矛盾点を掘り下げて専門的に掘り下げる志向性のことです。
物事を深く掘り下げることで、新しい知識やアイデアの発見に繋がり、主体的に研究テーマを発見したり取り組むことができます。
分析力
分析力とは、複雑な情報やデータを整理することで、新しい発見をする能力です。
ゼミでは、研究データを正しく解釈して有意な結論を導くために必要な資質の一つです。
どのゼミでも、ベースとして必要ですが、個人でプレゼンなどを行なうゼミでは一定以上の分析力が求められます。
コミュニケーション能力
ゼミや研究におけるコミュニケーション能力とは、意見を効果的に伝え、他者の考えを理解する能力です。
人と仲良くなるスキルなどとは違います。
この能力が議論を豊かにしたり、一緒に研究課題やプロジェクトに当たる際も円滑に遂行することができます。
特にディスカッション形式や共同でプレゼンなどをするゼミで重要になります。
創造性
創造性とは、新しいアイデアや解決策を考え出す能力です。
ゼミでは、新しい研究テーマを発見したり、今までとは違った視点でのアプローチをしたりすることが、研究や議論の発展に貢献することがあります。
特に、ディスカッション形式や卒論のテーマ設定などにおいて求められます。
上記では4つの長所となりやすい要素を紹介しました。
ただし、ゼミの選考で合格するために、自分の苦手分野を得意と謳うのは、後々大変になってしまうのでやめた方が良いでしょう。
その場合は、別の要素で書き方を変えることがポイントです。
活躍できる長所は1通りではないはずです。
長所の内容によっては表現を工夫しないと悪印象になることも
長所をアピールする際、内容によっては表現の仕方に注意する必要があります。
特に、能力系やスキル系をアピールする際は慎重になる必要があります。
例えば「私の長所は分析力が高いことです」とアピールするのは、客観性のある研究実績などを個人的に持っている場合を除いて、基本的にはあまり好印象ではありません。
そのアピールをする相手は教授であり、最悪の場合「身の丈を理解していない」と思われてしまう可能性があります。
そこで、「私は物事を分析して新しい視点を見つけることが好きです」などと言い換えると良いでしょう。
「これから分析力を伸ばしながら、研究に活かしていきたい」というニュアンスで書けば十分自己PRとして成立します。
強みをどんなエピソードで伝えるかも重要
自己PRにおいて、自身の強みを適切にアピールすることは重要です。
その上で、そのような強みがあることの信憑性を高くするような工夫をすると説得力が高くなります。
そのためには、強みをエピソードを通して伝えることが効果的です。
このような自己PRや志望理由におけるエピソードを記入する際、他の人がなかなか経験しないようなレアな体験でないといけないと感じてしまうかもしれません。
しかし、そのようなことはないので安心してください。
部活や、人間関係における出来事など、エピソード自体はなんでも構いません。
ポイントは、あなたの強みを示す要素になっているかどうかです。
あるエピソードを通して、あなたがどのような考えを持ったのかを示すことを意識しましょう。
ゼミ選考の自己PRの例文
ゼミ選考における自己PRの作成方法について、ここまで解説してきました。
上記を実践することでどのような自己PRを作成することができるのか具体例を元にイメージを強めてください。
また、自己PRのタイプによって書き方が少し異なるので、書き分けをしてあります。
ぜひ、自分の書く予定の自己PRに方向性が近いものを参考にしてください。
客観的な実績などを元にアピールするケース
学部:法学部
ゼミの形式:ケーススタディとプレゼン
アピールポイント:探究心、主体的な課題の発見・解決
エピソード:高校の部活動
Point(要点)
私は、ゼミの研究において、物事を深く追求する探究心を持ち、自発的な課題の発見と解決を意識して活動するように努めます。
特に、ケーススタディでは、主体的に類似する別の判例を調べて解釈のポイントなどの理解を深めることで応用力のあるリーガルマインドを身に付けます。
Reason(理由)
私は高校のバスケットボール部で、探究心と自発的な課題意識を重視して活動しました。
その結果、レギュラーメンバーとして県大会に出場できました。
この経験をゼミでの研究でも活かし、法律の専門性とともに探究心や課題への取り組み方をさらに洗練させるつもりです。
Example(具体的なエピソード)
バスケは、単なるフィジカルなスポーツではなく、戦略性と役割に合う技術の向上が重要でした。
特に、私の場合は身長が165cmと低くパワー勝負が不利でした。
そこで、ドリブルとパスに特化することに決め、チームの得点機会を増やすことを自らの役割と定義しました。
しかし、当初はパス技術を磨いても得点の増加に繋がらず悩んでいました。
そこで、プロのプレイヤーの動きを分析し、フォーメーションによってパスを活かす方法を独自に研究しました。
それを実践することで、パスが効果的に機能し役割を果たせたことで、チームの得点増加、県大会出場へ貢献できました。
Point(再確認)
この経験から、私は物事を深くまで追求する探究心と、自ら課題を見つけ解決する能力を高めました。
このバスケ部への取り組み方を、ゼミにおいても新しい課題を見つけ、解決策を見つけることへと活かします。
客観的な実績無しでアピールをするケース
学部:経済学部(マクロ経済学)
ゼミの形式:ディスカッション
アピールポイント:コミュニケーション能力、傾聴力
エピソード:サークル内の企画の会議
Point(要点)
私はゼミで、傾聴力を中心に、相手の意図を理解して議論を発展させるコミュニケーションをゼミで発揮します。
特に、ディスカッションの場では、傾聴を通して議題を多面的に検討することを意識し、議論を活性化させます。
Reason(理由)
経済学では、視点や状況によって大きく結論が変わることがあると学びました。
そこで、ディスカッションの授業では、様々な角度からの意見に理解を示しつつ、共通の目的に向かって議論を発展させることが重要だと考えています。
そうするには、異なる意見に対して対立するのではなく、相手の考えを構成する論理を理解する必要があります。
Example(具体的なエピソード)
私が所属するダンスサークル内で新歓の企画会議が行われました。
その際、ダンス練習の体験会とBBQなどのレク形式のどちらで企画するかと意見が割れていました。
そこで、私は新歓における目的が新入生と在校生の交流を増やすことだと全体に向けて再度確認し、それぞれの提案する企画の意図や効果の理解に努めました。
目的に向けた建設的な議論の雰囲気作りができた結果、両者の企画の目的には交流の最初の壁を超えることと、親密な関係作りの差があったことがわかりました。
その結果、練習会を行い、その後にレンタルルームで打ち上げをするという案に決まりました。
ここから、相反する意見が発生した際は、それぞれの意見の深い意図をもとに議論を組み立てると効果的な場合があることを学びました。
Point(再確認)
このような経験から、私はゼミのディスカッションにおいても、異なる意見を尊重し、有効な議論を促進する役割を果たすことで多角的な観点からの議論を促進し、より多くの学びを得たいと考えています。
研究に役立ちそうなスキルをアピールするケース
学部:経営学部
ゼミの形式:プレゼン形式
アピールポイント:分析力
エピソード:大学の授業でのレポート
Point(要点)
私は物事を分析し、新しい視点を見つけることに強い興味があります。
これを、ゼミでのプレゼンにおいて、データ分析や事例研究を通じて有意な洞察をすることに活かしたいと考えています。
Reason(理由)
1年間を通じて経営学の基礎を学ぶ中、特に市場の動向や消費者行動を分析することに魅力を感じました。
これらの分析が、経営戦略やマーケティングの意思決定に重要な影響を与えることがわかったからです。
そこで、これからも分析力を伸ばしながら、ゼミの研究やプレゼンで積極的に活かしていきたいと考えています。
Example(具体的なエピソード)
私の夏期の経済学授業でのレポートテーマは、「COVID-19パンデミックによるアパレル製品のEC利用者増の背景」でした。
特に部屋着とファッションウェアのカテゴリーに注目し、2020年と2021年のアパレル製品のオンライン売上データを分析しました。
実際に調査すると、リモート環境が進んだ影響で、部屋着のEC売上が拡大していました。
一方、予想に反して本来消費者が実物を見て購買意思決定をすることが一般的なファッションウェアのEC売上も拡大していることがわかりました。
その背景として、感染リスクへの懸念をきっかけとしてオンラインショッピングへ移行した結果、ECでの購買メリットに気付いたことが影響していると予測しました。
そして、1000人以上の消費者がオンラインでの購買行動について答えたアンケート結果について調べました。
実際、「価格の比較容易性」「時間の節約」がECを選択する理由だとわかり、その予測はある程度の妥当性があることがわかりました。
Point(再確認)
このような経験から、私は経営学における分析を深め、プレゼン形式のゼミでの議論の中で経営に関する視点を増やしていくことで成長し、活躍していきたいと考えています。
自己PRを書く時に気をつけた方が良いこと
自己PRを書く際に、気をつけた方が良いことがいくつかあります。
それは、自身のことをアピールしようとするあまり、かえって印象を悪くしてしまうことです。
つまり、空回りしてしまう可能性の高いアピール方法を避ければ問題ありません。
以下に当てはまる自己PRを作成してしまっていたら注意してください。
無理に「有能そう」にすると自慢っぽくなってしまう
自己PRを通じて、自身がいかにも「有能」であるように見せようとするのは避けた方が良いです。
なぜなら、教授としては「ゼミでの活動を通して成長していくので最初は能力が不十分なもの」という前提で考えているはずだからです。
むしろ、「私は〇〇ができます」と繰り返していると、自信過剰なように捉えられてしまうかもしれません。
そうすると自信過剰な内面が邪魔をして、ゼミを通して必要な能力が備わっていくのを阻害すると思われる可能性があるので注意しましょう。
文章の「表現」だけで好印象を狙うのは諸刃の剣
文章をトリッキーな表現にすることで印象的な表現を狙うのは諸刃の剣です。
なぜなら、中身が伴わなければ小手先でどうにかしようとするタイプと思われてしまうからです。
トリッキーな表現というのは、例えば有名な漫画やゲームなどに例えたりすることで強烈なインパクトを与えようとするような手法です。
そもそも、教授は基本的に普段から様々な論文などを読んでいます。
そのため、自己PRも同様に内容が適切に表現されていれば、問題なく理解してもらえます。
表現を凝るよりも、簡潔な構成にしつつ、自己分析やゼミの調査などをして内容の質を高めることが重要です。
結果や能力を訴求し過ぎず、過程をアピールする
過去の実績などを訴求する際に、その結果自体をアピールする書き方にならないように気をつけた方が良いです。
なぜなら、その過去の実績が直接的にゼミでの成果に繋がるとは限らないからです。
代わりに、その結果を得るに至ったプロセスをアピールすることで、ゼミでも同様に結果を出すイメージを持ってもらいやすいです。
例えば、高校の部活で県大会に出場した実績をアピールするとします。
その際に、県大会に出場した実績自体ではなく、練習に取り組む姿勢や上達のために独自に工夫した際の考え方などを訴求しましょう。
自己PRと志望理由では調査すべき内容や調べ方が違う
自己PRと志望理由とでは、調査をするべき内容が変わります。
それは、それぞれで記入すべき内容の方向性が異なるからです。
先述の通り、自己PRでは「人間性」を、志望理由では「動機の深さ」をアピールします。
その目的から逆算すると、調査をするべき内容が変わります。
この項目では、何をどんな観点で調べると良いか解説します。
自己PRで調べるのはゼミの形式と雰囲気
自己PRでは、人間性や内面についてアピールします。
その目的は、ゼミで活躍するイメージを持ってもらうためです。
そのためには、ゼミの形式とゼミ生の雰囲気を調べましょう。
ただし、先述の通り、最も重視するべきはゼミの形式です。
なぜなら、ゼミ生は毎年入れ替わるので、雰囲気もその度に変わる可能性が高いからです。
一方で、ゼミ生の雰囲気が180度反転するかというと、そんなことも中々ありません。
そこで、合格したいゼミに知っている先輩がいる場合は雰囲気を聞いてみるのもよいでしょう。
また、ゼミに先輩がいない場合は、サークルなどに同じ学部や学科の先輩がいれば質問してみるのがおすすめです。
学部が共通の先輩がいなくても、先輩の知人にいれば聞いてもらえるので、とにかく先輩に相談をすることがおすすめです。
もし、知り合いの先輩が全くいない場合は、SNSなどをチェックするのもおすすめです。
ゼミによっては、SNSなどで活動の様子などを発信しているケースがあります。
また、ゼミ見学に行くことで、先輩たちの性格や雰囲気がなんとなくわかります。
希望のゼミがあれば、必ずゼミ見学に参加することをおすすめします。
志望理由で調べるのは研究分野について
志望理由において、調査するべきは研究分野の詳細についてです。
特に、以下の3つについては必ず調査しておくことをおすすめします。
・ゼミの研究分野の一般論を知る
・教授の研究成果や論文を調べる
・教授の出版物を調べる
ゼミの志望理由の作り方についての記事で、他の学生の志望理由と差別化するためのゼミの調査方法を解説しています。
この記事でおすすめしているのは、以下の3媒体で一般論や、教授の論文の要点を把握し、書籍なども確認するという方法です。
具体的に、どんな情報をどの程度の深さまで調べるのが効率的かなど説明しているので、ゼミの調査に不安が残る方は参考にしてください。
【まとめ】ゼミの選考の自己PRでは志望理由との書き分けが重要
本記事では、ゼミの選考における、魅力が伝わる自己PRの書き方や、志望理由との書き分けの明確な違いについて解説しました。
自己PRでは、あなたがゼミで活躍するイメージを持ってもらうことが目的です。
一方で、志望理由ではあなたがその研究やゼミを選考することへの動機の深さをアピールすることが目的です。
そこから逆算すると、それぞれを書くにはゼミの何を調査し、どんな方向性で文章に落とし込むかが見えてきます。
以下の表を参考にしてください。
自己PR | 志望理由 | |
---|---|---|
目的 | ゼミで活躍するイメージを与える | そのゼミである必要性を伝える |
アピールすること | ・ゼミの形式に適した長所 ・粘り強さなど ・長所を象徴する過去の体験 | ・あなたの将来目標 ・学問分野に対する強い関心 ・ゼミの研究と目標の関連性 |
調査すること | ・ゼミの講義形式 ・ゼミ生の雰囲気 | ・ゼミの学問分野の一般論 ・教授の出版物 ・教授の論文 |
調査の方法 | ・ゼミ見学 ・先輩に聞く ・SNS(あれば) | ・Wikipedia ・CiNii論文 ・Google Scholar |
※各サイトへのリンク
実際、志望理由が書けても自己PRが中々うまく書き上げられないという方は少なくないようです。
上記の表を参考にし、目的から逆算して教授にあなたの魅力が最大限伝わるようなゼミの選考のシートを完成させてください。
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